「言ってないこと」を聞いてみる

相手の言うことをよく聞く。それは当然ですね。
聞いてないと分からないのだから。

人は言いたいことを
そのまま言わないことがあります。

自分の意見として言ったところで説得力に欠けるので
無意識のうちに一般論として言うんです。

例えば
「女の子には学歴なんていらないのよね」
「今は女の子だって学歴は必要よね」
は、どちらも間違ってません。
そしてどちらも正しいとも言えません。


これらは一般論ではなく「その人の考え方」です。
それを一般論的に言ってるんですね。

「私は女の子には学歴なんていらないと思ってるのよね」と、言うと
個人の意見になり
あなたはそうなんだ。と、なって終わりますが

「女の子には学歴なんていらないのよね」と、言うと
自分だけで完結しておらず


一般論的な感じで共感を求めているので
共感しないと雰囲気が悪くなるので
多くの穏やかな人たちは
なんだかモヤッとしながらも共感するんですね。
それで言ってる方は満足します。

しかしここで気をつけるのは
言ってることではなく
言ってないことです。

女の子には学歴なんていらないのよね
の、言ってないことは
女の子にも学歴は必要。です。

逆に
女の子にだって学歴は必要よね。
の言ってないことは
女の子には学歴は必要ない。です。

言ってないことに囚われているからこそ
逆のことに共感して
自分を認めてほしいんです。

女の子には学歴なんていらないのよね。
と、言う人の本音は

今の世の中女の子にも学歴はあった方がいい。
でもうちの子は大したことないから心配。
でも女の子だしこんなもんで大丈夫だよね。
女の子には学歴なんていらないって
あなたもそう言って!

です。

逆に
女の子にも学歴は必要よね。
と、言う人の本音は

正直女の子に学歴なんて必要なのかしら?
うちの子頑張っちゃってるけど
生意気だとかで嫌われないか心配だわ。
今は女の子にも学歴は必要だって
あなたもそう言って!
です。

たいていが逆の状況にあって
それに自信が無いから
目の前の誰かに共感してほしいんですよ。

こんな時は
正論で自分の意見をぶつけないで
適当に共感してあげた方が
その場は丸く収まりその人にも好感を持たれます。

みんないろんなことに不安なんです。
いつでもどこでも自分の正直な意見を言うことは無いんです。

この
言ってないことを聞くことができるようになると
抜群に人間関係で困ることは減ってきます。

これは
デリダの「二項対立」からの考え方で
言ってないことを見る。と言うことです。

哲学のさまざまな知識を知っていると
このように実生活に役に立ちます。

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